常設展示室の「氷見の民家」では、季節ごとにしつらいを変えています。秋には、ホンコさん(報恩講)のしつらいになっています。

 ホンコさん(報恩講)のお[とき](食事)の席に、配膳された輪島塗りの[ぜん][わん]は、黒漆塗り、あるいは朱漆塗りの脚付きの膳(四足膳[しそくぜん])と、同じく黒塗りや朱塗りの組椀などからなります。
 朱塗りの膳椀は法中方[ほっちゅうがた](僧侶)用で、黒塗りのものは親戚一門衆など一般参会者が用います。特にこの形の膳は、「宗和膳[そうわぜん]」と称され、後に民間では、正式なもてなしの場での本膳として使われるようになりました。
 氷見地域など富山県西部では、明治から昭和30年代頃まで在方の地主層や町方の裕福な大家を中心に、ホンコさん(報恩講[ほうおんこう])のほか、嫁取り(婚礼)や葬儀、年忌法要、春秋祭礼など改まったもてなしの席中心に盛んに使われました。ただ、本膳のように三の膳や与の膳が付くことはまずなく、たいてい一の膳のみか、丁寧な席でも二の膳まででした。

 一方、こうした宗和膳をはじめとする輪島塗りなどの漆器は非常に高価なため、よほどの大家以外はなかなか個人で求めることが難しく、「椀講[わんこう]」や「輪島講」など幾人かが仲間をつくって購入費用を積み立てたうえ順次入手する、いわゆる膳椀の「頼母子講[たのもしこう]」があちこちで結ばれました。


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